令和になり、昭和も遠くなってしまった今、昭和の昔の街並みを鉄道模型のジオラマで再現するというのも、いいでしょう。昭和を生きてきた鉄道マニアには懐かしく、平成に生まれた昭和を知らない鉄道マニアには新鮮に感じられるかもしれません。
では、昭和の情景を復元するにはどうしたよいでしょうか?やはり時代背景は注意する必要があります。良くも悪くも不便さがあった昭和の時代、平成の世では、当然のでもレトロな昭和の世界に登場させてしまうと不協和音が生じてしまいます。
例えば、今の時代に当たり前のように見かける高層ビルなどがあると興ざめです。また、電柱は、作ったほうがよいでしょう。
今は、景観や交通の利便性のために地中にうめられている電線ですが、昭和の時代に電柱はあって当たり前でした。なお、木製の電柱ならばさらに時代感を演出できます。
具体的な作り方としては、やはり昔の写真などを見て作っていくということです。個々の建物や構築物は既製品で売っているものもありますが、ない場合は、自分で作ります。そして、やはり気を配るのは建物や構築物の適度な汚れ感です。実際に見るのがいいのですが、今は、どこの街並も新しくなってしまって昭和のレトロ感を持った建物を見つけるのは難しいかもしれません。また、写真があっても白黒が多かった昭和の写真では色合いはわからないでしょう。一度、完成されたジオラマを見てその汚れ感を感じ取るのも一つの方法で、何かよいヒントがあるはずです。
他に、少々、厄介なのは、土台です。建物や構築物は市販されているものがあれば、それを使えばいいのですが、土台に関しては、自分で作ります。
というか、自分で作らないと目的のものを表現できません。
よく使われるのは発泡スチロールとホームセンターなどでよく販売されているスタイロフォームという安価な建材です。これらの素材を切ったり、削ったり、あるいは重ねてから切ったり、削ったりするなどして自分の好みの形にします。それと同時に、土や草、レンガや石畳などを組み合わせていきます。
完成した時も楽しいですが、作っている間も楽しいのがジオラマの醍醐味です。